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新卒でも、入社1か月でも、試用期間中でも、会社は辞められます。 正社員など期間の定めのない雇用なら、一般的には「辞めます」と申し入れてから2週間で雇用が終わります(民法627条)。自分で言えないときは退職代行を使う方法もあり、料金は2万円前後が中心で、入社辞退・入社3日以内なら19,800円(税込)のサービスもあります。
この記事では、入社直後・試用期間中・入社前(内定辞退)の辞め方、次の就職への影響、第二新卒としての転職、退職代行の選び方を説明します。
結論:早く辞めても、やり直しはきく
- 入社直後でも、試用期間中でも、辞めること自体はできます。 期間の定めのない雇用なら、民法627条のルールが使われます。
- 入社前なら「内定辞退」です。 できるだけ早く、はっきり会社に伝えます。
- 新卒で入った会社を3年以内に辞める人は、めずらしくありません。 厚生労働省の調査では、大学卒の約3割が3年以内に離職しています。
- 次の就職に向けて、新卒応援ハローワークなど無料で使える窓口があります。
新卒・入社直後でも辞められる?
法律のルール(民法627条)
民法627条1項には、次のように書かれています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
新卒で正社員として入った人も、このルールの対象です。勤続年数が短いからといって、辞められないということはありません。
ただし、就業規則に「退職は1か月前までに申し出る」などの決まりがある場合は、それに合わせるほうがもめにくいでしょう(→退職の引き止めの断り方)。
試用期間中の場合
試用期間は、会社が働く人の能力や適性を見て、本採用にするかを決める期間です。東京都の「ポケット労働法」では、最終的な決定まで、会社が労働契約の解約権を留保している期間と説明されています。
つまり、試用期間中でも労働契約はすでに結ばれています。 自分から辞めるときも、基本的には上と同じ退職のルールで考えることになります。試用期間の長さや退職の手続きは、雇用契約書と就業規則で確認しましょう。
「聞いていた条件と違う」場合
求人や面接で聞いた労働条件と、実際の条件がちがう場合について、労働基準法15条2項は、働く人がすぐに労働契約を解除できると定めています(東京都「ポケット労働法」より)。
どこがどう違うのかがわかるように、求人票、労働条件通知書、雇用契約書を手元に残しておきましょう。判断に迷うときは、総合労働相談コーナー(全国の労働局・労働基準監督署など。予約不要・無料)に相談できます。
入社前に辞めたい(内定辞退・入社辞退)
入社日の前に「やっぱり入社しない」と決めた場合は、内定辞退です。
京都新卒応援ハローワーク(厚生労働省)のページでは、次のように説明しています。
- 内定は「始期付解約権留保付労働契約」と考えられていて、会社にも学生にも解約する権利がある
- 内定承諾書を出していても、2週間以上前に申し入れれば辞退できる
- 会社は受け入れの準備をしているので、決めたらすぐに連絡する。直接伝えるのが望ましいが、電話やメールでもよい
- 入社を前提に、本人の希望で会社が特別な備品を買っていた場合などは、損害賠償を請求される可能性がある
入社の直前で、どうしても自分から連絡できないときは、内定辞退に対応している退職代行もあります(下の表を参照)。
次の就職への影響は?
早期の離職はめずらしくない
厚生労働省が2026年10月に公表した調査では、令和5年3月に卒業して就職した人のうち、3年以内に離職した人は大学卒で31.2%、高校卒で36.9%でした。早く辞めたことだけで、次の就職がすべてだめになるわけではありません。
退職代行を使ったことは書類に書かれない
離職票や源泉徴収票など、退職のときに受け取る書類に「退職代行を使ったかどうか」を書く欄はありません。くわしくは退職代行は転職先や親にバレる?で説明しています。
面接で聞かれやすいこと
短い期間で辞めた場合、面接では退職の理由を聞かれることが多いでしょう。
- ウソはつかず、「何が合わなかったか」と「次はどうしたいか」をセットで話す
- 前の会社の悪口だけにならないようにする
- 退職代行を使ったことを、自分から話す必要はありません
雇用保険(失業手当)は、もらえないことが多い
雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)は、原則として離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です(ハローワークインターネットサービスより。倒産・解雇などの場合は例外あり)。
入社1か月前後で辞めると、多くの場合この条件を満たしません。退職したあとの生活費の見通しを立ててから辞めましょう。
退職後の健康保険・年金の手続きは、退職後の手続きでまとめています。
第二新卒として転職するには
卒業してから数年以内に転職する人は、「第二新卒」と呼ばれることがあります。無料で使える公的な窓口があります。
| 窓口 | 対象 | できること |
|---|---|---|
| 新卒応援ハローワーク | 大学などを卒業予定の人、卒業後おおむね3年以内の人 | 担当者制の個別相談、応募書類の添削、面接の練習、求人の紹介(すべて無料) |
| わかものハローワークなど | パート・アルバイトで働いていて、正社員を目指す若者(おおむね35歳未満) | 正社員就職に特化した支援(無料) |
退職代行の中には、辞めたあとの転職サポートがついているところもあります。
自分で辞めるときの手順
- 雇用契約書と就業規則を見る:退職の申出期限、試用期間の長さ、退職届の出し先を確認します。
- 退職日を決める:入社して6か月未満だと、まだ有給休暇がない場合が多いので注意しましょう(→有給消化して退職する方法)。
- 直属の上司に伝える:「〇月〇日で退職します」と、日付を入れて伝えます。言い出しにくい人は、退職を言い出せないときの伝え方に例文をのせています。
- 退職届を出す:受け取ってもらえないときは、内容証明郵便で送る方法があります。
- 借りている物を返す:社員証、制服、パソコン、健康保険証などを返します。
心や体がつらいときは、まず休むことを優先して
入社したばかりの時期は、慣れない環境で心や体に負担がかかりやすいものです。眠れない、食欲がないなどの不調が続くときは、無理に我慢しないでください。医療機関や、厚生労働省の働く人向けの相談サイト「こころの耳」(電話・SNS・メールの相談窓口あり)に相談できます。
自分で言えないなら、退職代行という方法も
退職代行は、本人の代わりに会社へ退職の意思を伝えるサービスです。ただし、運営元のタイプによって、会社とやりとりできる範囲が法律で決まっています。
| 運営元 | 退職の意思を伝える | 有給・給与について会社と交渉する | 未払いの残業代などを請求する/裁判に対応する |
|---|---|---|---|
| 民間企業 | ○ | ×(弁護士法に反するおそれ) | × |
| 労働組合 | ○ | ○(団体交渉) | × |
| 弁護士 | ○ | ○ | ○ |
入社したばかりで、まだ有給休暇もなく、もめる要素が少ないなら、退職の意思を伝えてもらう民間の退職代行で足りることが多いでしょう。
新卒・入社直後に使いやすいサービス
| サービス | 新卒・入社直後に関係する料金(税込) | 特徴 |
|---|---|---|
| 退職代行Jobs | 入社辞退・入社3日以内の退職は19,800円(LINEで申告。適用外の場合あり)。通常は27,000円 | 民間(労働組合への加入は任意)。現金後払いあり。無料の求人紹介 |
| 辞スル | 正社員22,000円/アルバイト18,000円 | 民間(弁護士監修)。後払いあり(基本的に次の給料日まで、など)。LINEは24時間 |
| 男の退職代行 | 内定辞退も含めて21,800円+組合費1,000円 | 男性専用。労働組合が実施(規約では条件の交渉は業務外)。転職エージェントの紹介あり |
| わたしNEXT | 内定辞退も含めて21,800円+組合費1,000円 | 女性向け。労働組合が実施(規約では条件の交渉は業務外)。転職エージェントの紹介あり |
| ニコイチ | 試用期間中も27,000円(雇用形態に関係なく一律) | 民間 |
※ Jobsの割引は、LINEに登録したあとに割引の希望を伝える必要があります。申告がない場合や、特殊な事情がある場合は適用外になることがあると、公式サイトに書かれています。
退職代行を選ぶ6つのポイント
| ポイント | 確認すること |
|---|---|
| ① 運営元 | 会社に「辞めます」と伝えるだけなら、どの運営元でも変わりません。有給・未払い給与の交渉が必要なら労働組合か弁護士、請求や損害賠償への対応が必要なら弁護士です |
| ② 支払う総額 | 基本料金のほかに、組合費・後払い手数料・書類の送料がかかる場合があります。申し込む前に総額を確認しましょう |
| ③ 支払い方法 | 初任給の前で手持ちのお金がなければ、後払いに対応しているサービスを選びます(審査がある場合があります) |
| ④ 返金保証の条件 | 「退職できなければ返金」の条件は、利用規約で決まっています。業務委託・有期契約は対象外のことが多いです |
| ⑤ 対応する雇用形態 | 内定辞退や試用期間中に対応しているか、料金の区分はどれかを確認します |
| ⑥ 受付時間 | 深夜や早朝に頼みたいなら24時間受付のところ。弁護士事務所は平日の日中だけのこともあります |
あなたの状況に合う退職代行のタイプ
| あなたの状況 | 合うタイプ | 案内先 |
|---|---|---|
| 入社して数週間〜数か月。もめる要素はない/初任給の前でお金がない | 民間・後払い | 辞スル(後払いあり)、退職代行Jobs |
| 入社前に辞退したい/入社して3日以内 | 民間 | 退職代行Jobs(19,800円) |
| 男性で、転職の相談もしたい | — | 男の退職代行 |
| 女性で、転職の相談もしたい | — | わたしNEXT |
| 給料が支払われない/研修費の返還や損害賠償を求められている | 弁護士 | 弁護士の退職代行(弁護士法人ガイアなど) |
| 公務員として採用された | 弁護士 | 退職代行と公務員 |
| 看護師 | 状況に応じて上のどれか | 看護師を辞めたい人へ |
各社の料金と特徴をまとめて見たい人は、退職代行のおすすめ比較と料金相場をご覧ください。
よくある質問
入社1か月で辞めるのは、非常識ですか?
早く辞めることで、会社や同僚に負担がかかるのは事実です。ただ、辞めること自体は法律で認められています。体調をくずすほどつらいなら、早めに決めるほうが、次の一歩を考えやすくなります。
試用期間中なら、すぐに辞められますか?
試用期間中も労働契約は結ばれているので、基本的には通常の退職と同じく考えます。期間の定めのない雇用なら、一般的には申し入れから2週間です。会社と話し合って、もっと早い日に退職日を決められることもあります。
内定承諾書を出したあとでも、辞退できますか?
京都新卒応援ハローワークのページでは、内定承諾書を出していても、2週間以上前に申し入れれば辞退できると説明しています。決めたらすぐに連絡しましょう。
研修費を返すように言われました
労働基準法16条は、「辞めたら〇円払う」とあらかじめ決めておく契約を禁止しています。研修費の返還が問題になるかは、研修の内容や約束の中身によって変わるので、退職代行と損害賠償の記事を読んだうえで、労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
新卒で退職代行を使うと、親に知られますか?
退職代行の多くは、会社に「本人や家族に連絡しないでほしい」と伝えてくれます。ただし、会社が連絡するかどうかまでは決められません。くわしくは退職代行は親や転職先にバレる?をご覧ください。
まとめ
- 新卒でも、入社1か月でも、試用期間中でも、辞めること自体はできます(期間の定めのない雇用は、一般的には申し入れから2週間)
- 入社前なら内定辞退。決めたらすぐに連絡しましょう
- 大学卒の約3割が3年以内に離職しています。新卒応援ハローワークは卒業後おおむね3年以内の人も使えます
- 入社1か月前後では、雇用保険の失業手当は受け取れないことが多いので、お金の見通しを立ててから辞めましょう
- 自分で言えないなら退職代行も選べます。入社辞退・入社3日以内なら19,800円のサービスもあります
個別の事情(契約の内容、会社とのやりとり)によって結論が変わることがあります。不安なときは、総合労働相談コーナーや新卒応援ハローワーク、弁護士に相談してください。
出典:民法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 )第627条/労働基準法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 )第15条・第16条/東京都産業労働局「2026 ポケット労働法」(https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/shiryo/pokerou2026_zentai.pdf )/京都新卒応援ハローワーク「内定後のこと」(https://jsite.mhlw.go.jp/nisizinkarasumaoike-kyoto-plaza/home/shinsotsu/kyu-shoku/kosokoso_00003.html )/厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和5年3月卒業者)を公表します」(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00011.html )/ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/help/question05.html )/厚生労働省「新卒応援ハローワーク」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000132220.html )/厚生労働省「正社員就職を目指す若者の皆さまへ」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000132151.html )/厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html )/厚生労働省「こころの耳」(https://kokoro.mhlw.go.jp/ )/退職代行Jobs公式サイト(https://jobs1.jp/ )/男の退職代行公式サイト(https://taishoku.to-next.jp/otoko/ )。そのほかの退職代行各社の情報は、各社の個別ページに記載の公式サイトによります。2026年11月1日時点の情報です。この記事は一般的な情報であり、個別の事情については弁護士や労働基準監督署にご相談ください。

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